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薬害被害者「うみ出し切る改善を」 「反省なし信じ難い」(産経新聞)

 子会社の治験データ改竄(かいざん)で業務停止命令を受けた田辺三菱製薬。前身となった企業にはスモンやエイズ、C型肝炎など数々の薬害を繰り返してきた歴史がある。肝炎訴訟では被告企業となり、平成20年に和解の合意を交わした際には、再発防止を誓っていた。「信じられない」「許せない」…。薬害被害者からは怒りの声が上がった。

 薬害エイズや薬害肝炎訴訟で中心的な役割を果たした鈴木利広弁護士は「田辺三菱製薬は合併を繰り返してきた会社。前身の一つ田辺製薬は薬害スモンを、ミドリ十字は薬害肝炎や薬害エイズを起こしてきた。厚労省はただ漫然と業務停止とするのではなく、すべてのうみを出し切り、改善を見極めた上で命令を解除すべきだ」と指摘している。

 肝炎訴訟全国原告団の山口美智子代表は「裁判で企業の姿勢を問い、応えてもらえると思っていた。再発防止の約束も信じられない」と新たな不正に憤りを隠さない。元九州原告団長の福田衣里子衆院議員も「不正は問題外。ただ、こうした不正を見過ごしてしまった薬事行政もただしていきたい」と話す。問題発覚1年後の処分に「調査に時間がかかりすぎ。今後は速やかな調査が求められる」と厚生労働省に対しても注文を付けた。スモン全国会議の議長、稲垣恵子さん(73)は「スモンの被害を出した田辺製薬も、エイズなどの被害を出した旧ミドリ十字もこれまでの反省が全くない。患者の命より、利益優先だ」と切り捨てた。

 一方、薬害エイズ訴訟大阪原告の花井十伍代表(48)は「薬害被害者としては本当に許せない。ただ、厚労省が親会社まで処分したことは評価したい」と話した。その上で、「今回の事案はあまりにも露骨で悪質なデータ改竄。市民感覚から言えば、この程度の業務停止で済むのかという印象だ。薬事法の罰則のあり方についても今後検討してもらいたい」と語った。

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